2008.01.22 火曜日
“alright?”
いつも、時計の短針がだいたい一周する関係
なかなか悪くない、そう思ってる
あの歌を白いイヤホンを介して共有する関係
なかなか悪くない、そう思うよ
そんなこと考えながら横顔に見惚れていたら
あのビビッドな目線を向けてきた
なかなか悪くないよな、そう思った
いつも、時計の短針がだいたい一周する関係
なかなか悪くない、そう思ってる
あの歌を白いイヤホンを介して共有する関係
なかなか悪くない、そう思うよ
そんなこと考えながら横顔に見惚れていたら
あのビビッドな目線を向けてきた
なかなか悪くないよな、そう思った
時々僕は冷静になりすぎる
ただひたすらに自分自身を客観視することでのみ
混沌に消え入りそうな事をギリギリ掴み取れると思うから
そうすることで幾つもの自分なりの真理を見いだしてきたし
とりあえずのところそれらが事の本質に最も近しい考え方であろう、と思っている
本質を理解した「つもり」の僕はまた、自分勝手に新たな混沌を生む
なぁ、俺って性格悪い?
たまに投げかける、というか投げつける質問
冷静なはずの僕が混沌に引きずり込まれそうなとき、いつもこう訊く
すると、いつも笑顔で同じ答えが返ってくる
「さぁ?」
さぁ?ってなんだよ
タイルの溝にビー玉を転がして遊ぶ、なんてことは
きっとおそらくたぶん間違いなく、もうしないだろうな
そりゃあ、やろうと思えばできる
だけどそれはもはや「遊び」じゃないんだよね
この頃は
Blogに載せよう
誰かに見せよう
雑誌に投稿しよう
なんてことは考えたことがなかった
かといって
思い出!思い出!
と、鼻息荒くしていた覚えも無い
つまり、見るように写真を撮っていた、と思う
「あっ」
みたいな感じ
「なんでお前だけ光ってるの?」
―「さぁ」
「なんで俺は光ってないの?」
―「スイッチが入ってないからだよ、きっと」
「スイッチを入れたら光るかな?」
―「たぶんね」
「誰かスイッチ入れてくれないかな?」
―「なんでスイッチを入れられなかったか、それを考えた方がいい」
初めてのモノクロフィルム
笑っちゃうくらいおどろおどろしい
決闘をしてるわけじゃあるまいし
そんなに白黒はっきりさせなくてもいいじゃないか
いや、笑っちゃうね、これ
空を撮るのは難しい
空そのものがあまりにシンプルだから
そこで、飛行機やヘリコプター、鳥でも雲でもいい
シンプルな中にいい塩梅で具体的なものを置いてやる
もちろん細心の注意を払って配置しないといけない
すると、なかなかじゃないか、なんて
珍しく自己満足に浸る、浸る、頭のてっぺんまで浸るのだ
いいオレンジだろ?って悦に入るのだ
時間よ止まれ、とは思わない
止まっちゃいけないものだから
時計が止まっても空は暗くなる
ベルが鳴らなくても暁は訪れる
だから思うのです、時間という直線的で不可逆なものに囚われないで
その時間すらを包括する空気を体中に吸収して、時間を掴まえておこう、と
時間は万人に共通して等しく与えられる
与えられるまでもなくそこにある、というべきか
時間を切り取ってしまったとき、共通性は失われ不平等になる
つまり、もっと上手く表現できればいいんだけれど
時計を見ると哀しくなるときがある、ということなのです
鏡はその前に立つものを映す
着飾っていようが寝起き姿だろうが、ありのままの姿を間違いなく映す
ある種の人間は、その前に居る人間の内面を映す
着飾っていようが作り笑いをしていようがその人の前では
そんなことをすればするほど内面が晒される気がする
そんな人は少ない
そんな人が欲しい
そんな人になりたい
毎日通った道
電車に遅れないように
こんなに静かで素敵な場所を
かつての僕は自転車で駆け抜けた
この写真をじっと見ていたら
そんな僕が写り込んできそうで
じっと見てられない
“Do you feel alright?”
そんな言葉を入れてみたiPod nano
大好きなあの曲の、大好きなフレーズ
いつかあの人に訊いてみよう
“Do you feel alright?”
そしてあの曲のように、こう答えてほしい
“Yes,I feel wonderful tonight”
どこから来たのですか
どんな気持ちでそこにいるのですか
できればどんな風に食べられたいですか
できればどんな人に食べられたいですか
一枚撮ってもいいですか
『日常の風景に飛び込んできた非日常を見つけると、ラッキーですよね。
女装したオッサンが逆立ちしてる、とか、そういう極端な非日常じゃなくても
いつもの階段に飴玉が二つ落ちてる、っていう些細な非日常があれば素敵。
ただ、それに気付くために必要なのは必死にキョロキョロと探すことじゃなくて
日常をよーく見ていることだと思います。
そうしたら、些細で素敵な非常識は浮かび上がってきますよね。』
――根暗な21歳・男性
『額縁とか、まぁこういうウェブページでもいいけど、
「写真がある」と思わないで
この四角の窓から「あの時のあの場所を覗いてる」って
そんな風に思って見てたら楽しいんです』
――根暗な21歳・男性
時折見かける止まったエスカレーター
ただそれだけで少なからぬ違和感があるけれど
その上をばつが悪い顔をして歩く人たちがいて初めて
エスカレーターが止まっている違和感が完成する
そういえば今日 全力で走る人を見たんだ
ただ前を睨んで もちろん僕なんかには気付きもしないで
夕陽が沈もうとする そんなオレンジ色のロータリーで
ただ前を求めて 立ち止まるなんて言葉は知らないと言わんばかりに
久しぶりに全力疾走する人間を見た僕は
真似をしてみようと思ったけれど
走る意味が見つからなくて
全力な彼を見失った
電話をかけるとき受話器を耳にやるとプーと聞こえる
相手の電話番号をプッシュするとピコパコと聞こえる
相手が出るまではプルルルと聞こえる
相手が電話を切るとプー、プー、プーと聞こえる
発信音
プッシュ音
呼出音
最後は、何ていうんだアレ
とにかく、あなたの声を聞くにはたくさんの電子音を聞かなきゃならんのだ
高いところに居ると、高いという恐怖なんかよりも
毛先ほどの人間が横断歩道を渡る姿の微弱さに恐れを抱くものです
夜景が綺麗、なんてことは、初めの2秒くらい感じるかもしれませんが
それ以後はもう、気味の悪い恐怖が僕を支配するのです
人は恐怖に接すると心が素直になります
お面を被ってる余裕が消えうせるから
だから高いところで語り合うのがたまらなく好き
流れるタクシーと溜まるタクシー
少し高いところから、神様にでもなった気分で眺めていると
流れるタクシーを指先ではじいてしまい
溜まるタクシーを指先ですくって流してやりたくなる
「神様は残酷だとかなんとか言うけれども
神様を創った人間が何よりも残酷だ」って
暇なタクシーの運転手は呟いた