2015.09.22 火曜日

SHREDDING BLUE

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日常の中でふと頭をよぎる考えはどこかにメモをしておかないと、そんな考えが浮かんだことさえ忘れてしまって思い出そうとする行動すらできなくなる。だからiPhoneのメモ帳に簡単なメモを残すことにしている。誰かに見られると恥ずかしいくらいしょうもないことも書いてあるので、メモ帳アプリの起動には指紋認証を取り入れてもらいたいと思っている。

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昨日、葉山町一色で開催されている高橋ヨーコの写真展に行ってきた。ぼくは彼女撮った写真が好きで写真集を2冊持っている。カルチャー雑誌などでもよく仕事をされているので、見かけるとつい買おうかと思うのだけれど、雑誌は買うときりがないのでだいたい我慢してる。今回の写真展はすべて海の写真、それもサーフィンを楽しむ人々を少し離れた視点でとらえた作品が多かった。”SHREDDING BLUE”というタイトルの通り、広い海のあちこちで波が崩れて白く弾ける様子が印象的だった。
展示されている作品はいずれも購入可能で、会期終盤ということもあり、だいたいの作品に売約済みのシールが貼られていた。当然オリジナルプリントは相応の値段設定になっているので気軽に購入することはできないのだが、自分の部屋に飾りたいなぁと思う作品はいくつかあった。幼いころは、どこかの作家による絵画作品や写真作品をわざわざ買って自宅に飾るという行為の意味がよくわからなかった。正直に言うとお金持ちのステイタスシンボルのようなものだとすら思っていた。実際にはそういうものもあるのかもしれないけれど、何度でもいつまでも見ていたい写真というものがあるのは間違いなくて、そういう作品が毎朝毎晩眺めてしあわせを感じるということはとても人間的ですばらしいことだと、今では思う。

2015.09.13 日曜日

アンチデジタル

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バス停に立っていた。定刻よりも遅れているバスの到着を待っていた。自転車に乗った白髪の爺さんがやってきて、バス停のそばに自転車を停めた。なにやら紙を握りしめてバス停に歩み寄ってくる。ポケットから虫眼鏡を取り出し、曲がった背中をさらに屈めて時刻表を観察し始めた。三軒茶屋方面に向かうバスの発車時刻を、虫眼鏡で確認してはひとつひとつ紙に書きつけていく。その紙にはすでに渋谷行きバスの時刻表がびっしりと記されていた。このバス停を通る路線は渋谷には向かわない。おそらく自転車でバス停をハシゴして情報収集しているのだろう。爺さんはその作業に没頭している。虫眼鏡を覗く静かな眼差しは、まさに研究者のそれである。
バスが到着し、乗り込んで左側の窓際の席についた。爺さんはまだバスの時刻表を研究している。

2015.09.08 火曜日

アンパンと玉子炒め

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ときどき、深い夢をみる。たいていの夢と同じように意味不明だけれど、やけに静かで、どこかもの寂しい夢。

ぼくは9階建てのマンションの8階に住んでいるようだった。なぜかエレベータはなく、階段を駆け足で降りていった。そこから少し歩いたのか、電車に乗って別の町に出かけたのかはわからない。砂利が敷かれてあちこちに雑草が生えている駐車場と道路を仕切るフェンスに掛けられた看板を眺めていた。ぼくは何かをあきらめて、近くにあった小さな一階建ての建物のドアを開けた。中に入るとそこはいくつかの商店が集まった屋内商店街のようだった。入ってすぐ右手の店のおばさんがぼくを見ている。それを無視して真ん中の通路をどんどん歩いていく。ほとんどの店に人は立っていない。営業時間外なのか、店を畳んだのかはわからない。小さい建物なのですぐに一番奥まで辿り着いた。奥のドアを開け立ちすくんでいると、最後の店のおじさんが声をかけてくる。ぼくは「おいしいアンパンがあると聞いて買いに来たのだが、見つからなかった」と説明する。おじさんはぼくを建物に戻るよう促し、入ってすぐの自分の店へと戻っていった。おじさんの店の壁に備え付けられた棚にいくつかの籠があって、そこには2,3個ずつパンが盛られていた。それらの籠のうちのひとつにアンパンがあった。アンパンはカレーパンのように揚げられているようだった。ぼくは2つくださいと頼み、おじさんは透明のナイロン袋にアンパンを2つ入れてくれた。以前、台湾旅行中に屋台で見た記憶のある特殊な方法でナイロン袋の口を縛ってくれた。ぼくはおじさんの様子を観察しながら、大きなテーブルの前に置かれたイスに座って待っていた。ふと気が付くと隣には女の子が座っていた。高校生くらいに見えたが、手には火のついてタバコを持っていた。左手にタバコを持ち、テーブルに伸ばした左腕を枕にして頭を乗せてぼーっとしていた。後ろのドアが開いている。ここは海の近くの高台にあるようで、眼下に海が見えた。とても静かでうつくしい景色だった。ドアの向こうから女の子の帰宅を促す母親の遠い声が聞こえたが、女の子はそれを無視しているようだった。おじさんは、サービスのつもりか、アンパンの中身となる餡が余っていたので大福を作ってくれていた。餅に餡を包む手つきは和菓子職人のそれだった。そうこうしていると、なぜか今度は白い平皿に盛られた玉子と野菜の中華炒めが出てきた。注文した覚えはないが、そこに違和感を覚えることなく、美味しそうだと思った。あまりに美味しそうだったので、添えられた細長い銀色のスプーンで一口分をすくい、隣で突っ伏している女の子に食べさせてやった。

2015.09.07 月曜日

What are you inspired by?

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This is a cafe where I love to spend my Saturday morning time alone. Little bit expensive, but good place to relax with coffee, newspaper, iPhone and Bose earphones. Located near Shimokitazawa station.
Inspired by STARBUCKS Daizawa 5-chome

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2015.08.29 土曜日

GR Monochrome

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満足できるモノクロ写真をGRで撮れるように試行錯誤している。

2015.08.24 月曜日

A Film About Coffee

スペシャリティコーヒー市場がテーマ。ニューヨーク、サンフランシスコ、ポートランド、シアトル、東京で活動している、この新たなコーヒーカルチャーの担い手を描いた作品らしい。ブルーボトルコーヒーとか、ああいいうやつ。
ぼくは夜中に自宅でラジオを聴きながら飲むゴールドブレンドのインスタントコーヒーがわりと好きです。

2015.08.23 日曜日

離陸ブルー

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飛行機が離陸した瞬間、いつも「ああもう後戻りできない」という意味不明な軽い絶望を感じている。家を出てから電車に乗って空港に着き、チェックインしてもなお、「今ならまだ放棄して家に帰ることができる」などと、頭のどこかで思っている。帰らなければいけない理由もなければ、帰るつもりもまったくないにもかかわらずだ。なぜこんなことを思うのだろうか。ひとたび飛んでしまえば国内線の距離なら着陸寸前まで起きないし、今回の台湾旅行でもほとんどずっと寝ていたので、飛行機に乗ることそのものは苦手ではないらしい。

2015.08.22 土曜日

感じ方の伸び縮み

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山梨で沢登り。平凡な表現になるけれど、自然に包まれるのは本当に気持ちがいい。聴こえる音、岩の感触、川の水の温度、太陽の日差し、木陰の涼しさ。ここで過ごす10分間と仕事中の10分間が同じ時間の長さだいうことは、理解はできても体感としてはしっくりこない。本当に緩やかな時間だった。

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2015.08.22 土曜日

DRIVING

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ペーパードライバーだけど車が欲しくなった。

2015.08.19 水曜日

2015 Summer in Taiwan

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湿った風に背中を押されて台湾を歩いた。

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緩やかな時間がときどきぼくを立ち止まらせた。

2015.07.12 日曜日

惑星曲線パラシュート

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「周りに流されるな」と言うけれど、おおきな川の真ん中で流されないようにただ踏ん張っていても、結局どこにも行けなくて取り残されてしまうだけだから、おおきな流れには乗るけれど舵は手放さずにしっかり握って、自分の行くべき方向へとコントロールすることが必要なんですよ、と。

2015.05.31 日曜日

Whiplash

今日が引き換え期限の劇場鑑賞券を使って映画「Whiplash」(邦題「セッション」)を観てきた。ジャズドラマーを目指す学生と、常軌を逸した指導者の物語。ときどきジャズを聴くしパーカッションを聴くのは好きだから面白そうだなぁと思ってたのだけれど、うん面白かった。指導者・フレッチャーがひたすら狂気に(そして音楽への愛に)満ちていてぞくぞくした。あとフレッチャーを演じていたJ.K. Simmonsがぼくの職場にいる鬼のように恐い古株社員の爺さんに似ていた。

2015.05.25 月曜日

いつか思い出せなくなっても

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きちんと思い出せるかどうかは別にして、人の記憶というものは必ず脳のどこかに保管されているらしい。ぼくは昔の記憶を思い出すのが苦手だから、それが本当ならうれしい。思い出せない記憶はもはや体験しなかったのと同じではないか?なんて考えたこともあった。けれど脳のどこかの引き出しにその記憶は収められていて、またいつか何かのきっかけで見つけ出すことができるのであれば、それを楽しみに待っていようと思う。

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そんなぼくも、自分で撮った写真を見るとその時のことをはっきりと思い出すことができる。もう少し正確に言えば、シャッターを切りたいと思ってからシャッターを切るまでの数秒間のファインダー越しの景色と、その時の感情の動きがまざまざと蘇ってくる感じ。だいたいぼくが過去の思い出を振り返るときには、自分が撮った写真をきっかけとして、その写真を撮った瞬間を思い出し、次にその時の気持ちが思い出され、そして芋づる式にその日に何があったのかをようやく思い出している。これは便利だなぁと思っている。

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ところで、このような記憶を呼び覚ましてくれる写真を撮ったときに使ったカメラには共通してファインダーがついていた。iPhoneの写真も好きだし、GRで撮った写真も好きだったけれど彼らにはファインダーがなく、液晶画面を見ながらシャッターボタンを押して(あるいは液晶画面をタップして)撮影する。こうして撮った写真は、結果的に、ぼくの貧弱な記憶を掘り起こすのには役立ってはくれない。それはやはり写真を撮るその瞬間を自分の目で見ることができなかったからなのだと思う。そんなの感情論だ、気分の問題だ、屁理屈だ、と言われればそれまでだけれど。

先週の大学時代に知り合った友人の結婚式。素敵な式でした。おめでとう。

2015.05.03 日曜日

五月、環七、プラタナス

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5月になりました。夏のような日差しが数日続いています。環七通り沿いに植えられたプラタナス。寒い季節に枝を間引きされていたけれど、もうこんなにも緑を芽生えています。桜前線が通り過ぎて梅雨前線に覆われるまでのこの季節がいちばん気持ちいい。

4/29からGWに突入し、早くも曜日感覚を失っている。友人と渋谷のおいしいイタリアンで食事したり、会社の同僚とホテルニューオータニのプールで泳いだり、夕方まで家にこもって片付けをしたり。仕事のことは頭のなかから放り出してリラックスした時間が流れている。人生には緩急が必要なはずなのにほとんどの日々を急ぎ足で過ごしてしまっているので、いまはひたすら緩やかに。

月が雲の切れ端のようにうっすら浮かぶ。

2015.03.29 日曜日

色ってなんだろう

“In the end, the experience of color is so private that you don’t really know how to explain that.”

2015.02.15 日曜日

Tamagawa

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小田急線の向こう側、澄んだ青空の底に薄い月が浮かんでいた。

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風に揺られたボートとボートがぶつかる音がコツコツと冬の終わりの多摩川に響いた。
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前に住んでいた街から近いこの場所は、その頃の気分を思い出させる。ボーっとしているようで、いつもモヤモヤしているようで、でも迷ってもいない感覚。会社の社員寮を入社後数ヶ月で飛び出て、自分で部屋を借りて、本当の自力での生活が始まった頃。まるで自転車に初めて乗れた時のように、ペダルを漕ぎ続ければずっと進んでいけるけど、スピードを緩めるとふらふらしてこけてしまうような、とにかく後には戻れない気分だったのだと思う。簡単に言えば不安だった。そんな時に、たまにこの辺りをカメラを持って散歩して、頭のなかを空っぽにして、平常心を取り戻していたのだった。

2014.12.31 水曜日

Goodbye, 2014.

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今年見た景色の中で一番きれいだった香港の夜景。来年も海外に足を運んで、見たことのない景色をたくさん見たい。

2014.12.17 水曜日

iPhone 6+

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今日は仕事を休んだ。数カ月前から「一ヶ月に一回は休暇を使いましょう」というありがたいキャンペーンが(ぼくの部署内だけで)設定されたので、仕事に影響を与えなければ気軽に休みを取得することができるようになった。今週はあまり忙しくなさそうだったので、特に予定も立てずに休ませてもらった。

さっきiPhone 5からiPhone 6 Plus(64GB)に機種変更してきた。でかい。きっと落としてしまう。今後もデジカメは持たずにiPhoneでうまくやっていこうと思っているから、光学手ブレ補正機能は欲しかった。だから6 Plus。品薄のiPhone 6 Plus(128GB)も表参道のアップルストアには在庫がありましたので、お求めの人はぜひ。

この2枚の写真は少し前にiPhone “5”で撮ったもの。秋と冬がまじりあうような雰囲気の夜でした。

2014.11.29 土曜日

雨とパンダとフランス語

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今日は雨。空を覆っている雲が薄いのか、空はわりと明るい。だから雨粒がよく見えて、きれいな雨に見える。ネットラジオに繋いだスピーカーからはフランス語の歌が流れている。知らないことばの歌はおもしろい。意味を理解できないから純粋に音を楽しめる。音階と発音の無数の組み合わせが流れていくだけ。こんな雨の日にはこういう音楽がよく似合う。

2014.10.13 月曜日

丹波の枝豆とお上りさん

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毎年、母親が近所の直売所で買った枝豆を送ってくれる。居酒屋で出てくるような食べやすい状態じゃなくて、枝ごと何本も縛られた状態で送ってくるので、届いたら一つづつはさみで切り落として、塩ゆでして、ジップロックで冷凍しなければいけない。放っておくとどんどん豆の甘みがなくなってしまう。今日も朝からパチンパチンと切り落として山のようになった枝豆を三回に分けて茹でた。
虫が喰っている野菜は美味しいのだと、田舎の人はよく言う。この枝豆にも小さな虫が一匹だけくっついていた。兵庫の山奥から東京に連れてこられるなんて迷惑だよなぁ、なんて思った。ぼくは好きでここにいるのだけれど。