2012.12.01 土曜日

深夜、いつものところで

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ばかみたいに素直だった時期があった。好きだったら好きだとことばにして伝えたし、嫌なことはすべて明確に拒絶していた。ほとんどの時間をひとりで過ごしていた。朝は早く起きてベランダから日の出を眺めていた。昼間は天気がよければ広い公園で写真を撮っていた。雨の日は家に閉じこもって文章を書いたり、ときどき同じ公園で写真を撮ったりしていた。夜は月が出ている日はそれを見ていた。月のない夜は何をしていたか憶えていない。月が出ていようと出てなかろうと、ほとんどの夜はチャットをしていた。夜、インターネット越しに誰かと話すのが好きだった。夜は世界と心の距離がいちばん近づく時間だと思っていて、それは同時に自分の深層が露になる時間なのだと思う。そんなときにPCに向かって、文字で、ほとんど会ったこともない誰かと素直なことばを交わす。穏やかで、ほんとうに楽しい時間だった。

2 comments.

  1. はじめまして。マカロニといいます。
    まるで小説を読んでいるような文章と写真がとてもいいな、と強く印象に残り、時々拝見させていただいています。
    思わずさかのぼって文章を楽しんでしまいました(^^)
    とても美しい文章と心ゆさぶられる写真、また見にきたいと思います。
    (うまく感想伝えきれずに申し訳ありません。)

  2. はじめまして。ありがとうございます。
    そう言っていただけるとうれしいです。

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