2009.07.20 月曜日

三日間、ぼくは少しだけ

少しだけ梅雨の余韻が感じられる。拭いきれない湿っぽさ。枯れ落ちきれないあじさいの花。夏の姿は見えるのだけれど、まだ触れることはできずにいる。そんな季節。
この3連休、ゆったりした気分だった。いつもの休日と同じように土曜日の朝に掃除や洗濯を済ませたあと、さて残りの時間をどんな風に過ごそうかと考えていた。生温い風に当たりながら、ぼんやりと外を眺めながら。
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土曜日の夜は友人と食事をした。久しぶりの新宿はやっぱりややこしくて迷ってしまった。そしてやはり背の高いビル、近くで見上げるには高すぎるビルの多さが少し嫌になった。でも、もちろん、食事は楽しいものだった。いつ会っても「変わらず」に「変わってゆく」その人に会うことは、ぼくにとってとても大切なことだ。つまりとても大切な人なのだ。それもまた変わらないことなのだろう。
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日曜日。物件探し。素敵な所を見つけた。築31年という古物件だけど、窓からの見晴らしが良くて静か。そして和室。だけど寿命が2年だそうだ。33歳の夏に姿を消す運命。そんな運命。
帰り道、旧友を食事に誘った。単なる愚痴だったり、確たる想いだったり、いろいろこぼしながらカレーを食べた。そして少しだけ酒を飲み、音楽を聴いた。たぶん彼はぼくが一番たくさん写真に撮っている友人だ。中学生から高校生、そして大学生への変貌を記録してきた。大学の卒業式へ向かう電車内で撮った彼の写真は、実はぼくのお気に入りだったりする。この春から同じく上京し、働き始めた。入社式の直前、彼の新居で、彼のアゴに茂っていたヒゲをそり落とす儀式に同席し、写真を撮った。そういえば高校の卒業式の日にも、男子トイレで彼が同じようにヒゲをそり落とす写真を撮ったのだった。いつか写真をまとめてプレゼントしてやろうと思う。
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そして今日、月曜日。起きた直後は、本当に今日は休みなのだろうか、なんて不安を感じたりしながらそわそわしていた。もちろん今日は海の日だ。国民の休日なのだ。残念なことに海を感じるような過ごし方をすることはできなかったが、日中は初めて訪れる街を歩いてみたり、コーヒーを飲みながら近い将来のことを考えたりして過ごした。夕方からは大きめの本屋に行き、自分の持つ興味を放し飼いにして数時間過ごした。そこで、世界には知らないことがたくさんあるのだな、という何十回目かの気付きを得た。そしてまた“知りたがり”の性格である自分が、しかし知るための行動をあまりできていないことに気付いた。これはいかん、とエスカレーターを下りながら自省したのだった。
・・・ 炊飯器が鳴った。ここまでにしておこう。

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