2009.05.10 日曜日

心模様


a pattern, originally uploaded by ixao_AGP.

心を動かされる瞬間、というものがある。
しかしその瞬間に身を置いている時点では、多くの場合、
心がかき乱されているような感覚をおぼえたり、
あるいは心の中身をそっくり入れ替えられるような感覚をおぼえるだけだ。
果たして自分の心が、何によって、どうして、どのように動いているのか。
それをはっきりと意識することはあまりできない。
あやふやな状態で、しかし確実に心を動かされていることを感じるだけで、
実際に自分の心の中で何が起きたのかを知るのは、少し後のことだ。

だけど、たまに、心を動かされているまさにその同じ時に、
自分の心が何に反応し、何を求め、どう変化しようとしているのかを
ありありと感じ、意識できることがある。
そして、それが意識できてしまうとき、妙に苦しくなったりする。

パンをちぎる手が止まり、ワイングラス越しのろうそくが明るさを増した。
耳はその声に吸い付くように雑音を排除して、
目はその目に釘付けになり、いっそう心を奪われた。

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