2008.12.11 木曜日

A drop of heart rate.

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静かに生きることを決めた人がいた。
それが自分に合っていると知ったからだ。
静かに生きる。
それでも笑うこともあるだろうし、歌うこともあるだろう。
泣いたりだってもちろんするし怒ったりもしてしまうだろう。
しかし静かに生きると決めてしまったために
笑っても自分の笑い声が明瞭に聞こえてしまうし
歌声も密室にいるかのようにこもってしまう。
泣いている自分はみじめに思えて
怒ってしまったことにむなしさを覚えるのだ。
静かさは物事をくっきりと浮かび上がらせる。
だからこそ静かであることが好きなのかもしれない。
いやになるほど自分の心を意識して生きる日常は
たぶん他の誰とも違った、自分だけの景色に見えるのだから。

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