2008.08.04 月曜日

all over


遠く離れたところから想いを届けるには
精一杯に高く明るく輝かないといけないのかもしれない
たとえ音が遅れようが
たとえ風に乱されようが
届くなら、届けたい


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僕が住んでいるアパートは、20年くらい前に建てられたぼろいアパートだけど
毎年8月の初旬には部屋の中からでもすばらしい花火を見ることができるのだ。
でも来年はもう、ここにはいない。
きっとこの花火も見ることはない。
花火だけじゃない。
裏の公園も、隣の自転車屋のおっちゃんも、居酒屋前に住む猫一家も、
ベランダから見える飛行機も夕陽も月もなにもかも、来年はもう手が届かない。
これらは、時間とそれに伴う事情によって流され消えてゆく。
思い出にのみ生き残り、思い出にすがることでのみ守ってゆける。
花火が好きだという人は多い。
僕も花火が好きだけど、苦手でもある。
目に見えるもの、耳で聞こえる音、肌で感じる空気。
結局それがすべてで、それが終わってしまえばいつもの夏の夜空が残るだけであると
ただただ広く静かな暗闇に、完璧かつ冷徹に諭されている気がして仕方ないのだ。

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