動物園の片隅　誰も立ち止まらない小屋

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動物園には何十種類もの動物がいる。
人間の世界にも人気者とそうでない人がいるように
動物のなかでも人気があるものとそうでないものがいる。
しかし人間は、「人間」という一種類の生き物に対して
同じ「人間たち」が好きだの嫌いだのという偏りを起こしている一方、
ここの動物たちはさまざまな種が一堂に集められたうえに
人間というまったく異質な他生物によって人気にムラが生ぜられる。
なんてむごい話なんだろう、と思った。
動物園の目立たないところで水を舐めるウサギがいた。
誰も立ち止まらない、静かで暗い小屋だった。